3月18日に開催した例会の報告です。11名出席。スペーシア会議室にて開催。
2015年度例会のテーマ「インセンティブ」の内容を振り返った資料を配して軽く説明。その後、皆さんから感想やら今後の抱負を問いかけるも、あまり反応がないので、私からひとつ話題提供しました。
しばらく時が経ったので、改めてまとめてみます。
◆打ち捨てられた果樹プロジェクト
昨年の正月2日、世話をしていた神社のお供えに使用された大量の橙(だいだい)の実が処分される運命にあることを知って、思わず「もったいない。それ、全部いただきます!」と言ってしまったのが事の発端。妻と相談して「橙マーマレード」を作ってみたら、これがとっても美味なんです! 地元の皆さんは「そんな橙なんて食う奴はおらんで」というくらいの感覚ですが、調べてみると、確かに生食には向かないけどマーマレードやポンスには最適。しかもアロマセラピーの精油としては高級だし、食欲を抑制する効果がある成分が含まれているとか(痩せ薬ですが、これはちょっと怪しい)。
今年の正月は、橙の樹の持ち主から直接、実を大量にいただきました。葉っぱのついた立派な実はお供え用に無償で配りますが、小さかったり恰好が悪かったり葉っぱが取れたりした実は使い道がないとのこと。しめしめ。でも独り占めしてもいけないと思い、「橙マーマレード」のわかりやすいレシピを作って、橙の実とともに友人に配ったら、ちゃんとマーマレード作ってくれて、とっても美味しいと感謝されました。・・・嬉しかったですね。
その後、我が家の周辺(それなりに田舎)を散歩していると、庭や畑に放ったらかしにされた果樹が目につきます。夏みかん、きんかん、柿、キウイ・・・。畑は放置しておくと草ぼうぼうになってしまいますが、果樹は勝手に花が咲き、実をつけるというわけです。
こうした打ち捨てられた果樹を活用できないか・・・というアイデアですが、詳細はまた今度。
ついでに橙にまつわる蘊蓄話を披露しました。
◆トキジクノカクノコノミ
古墳時代?、垂仁天皇の御代、命により、アメノヒボコ(新羅からの渡来人?)の子孫のタジマモリ(但馬の国守?)という人が苦労して「常世の国」に赴き、「トキジクノカクノコノミ」(不老不死の妙薬?)をもって帰国します。ところが時既に遅し。垂仁天皇はすでに崩御していて、タジマモリはいたく嘆き悲しみ云々・・・というお話。
このトキジクノカクノコノミは、日本書紀、古事記では「橘」のことである、と書かれているのですが、橘は日本在来の柑橘(そうです。柑橘の「橘」です)らしく、わざわざ常世の国に行く必要はなさそう。もしかすると橙ではないか、という説があります。
橙の実は秋から冬にかけて黄色く色づきますが、そのまま放置しておくと、翌年の春になると再び青くなり、秋〜冬にまた黄色く熟して、3年くらいはそのサイクルを繰り返すらしいです。いかにも不老不死のシンボリズムにフィットするような気がします。
それにしても、なぜ橙の実が鏡餅や注連縄に使われるのでしょうか。俗説では「代々」で縁起が良いから、と言われるようですが、あまり説得力ないですね。むしろ、不老不死との関連で説明する方が良さそうに思います。
ちなみに、韓国の済州島はみかんの産地として有名ですが、韓国の本土では寒冷な気候のため柑橘類は育たないようです。だとしたら、タジマモリが訪れたのは済州島だったのでしょうか? ということは、常世の国とは済州島のこと?
ちなみに、垂仁天皇陵(お墓)は、奈良市尼ケ辻町の宝来山古墳です。立派な前方後円墳で、お堀の中に「田道間守命塚」(タジマモリのお墓)があります。
なお、橙はインド、ヒマラヤあたりの原産で、西洋では bitter orange として香料などとして利用されているようです。
マーマレードを食べながら、こんな蘊蓄を傾けるのも楽しいのでは?!
M. 林
2015年度例会のテーマ「インセンティブ」の内容を振り返った資料を配して軽く説明。その後、皆さんから感想やら今後の抱負を問いかけるも、あまり反応がないので、私からひとつ話題提供しました。
しばらく時が経ったので、改めてまとめてみます。
◆打ち捨てられた果樹プロジェクト
昨年の正月2日、世話をしていた神社のお供えに使用された大量の橙(だいだい)の実が処分される運命にあることを知って、思わず「もったいない。それ、全部いただきます!」と言ってしまったのが事の発端。妻と相談して「橙マーマレード」を作ってみたら、これがとっても美味なんです! 地元の皆さんは「そんな橙なんて食う奴はおらんで」というくらいの感覚ですが、調べてみると、確かに生食には向かないけどマーマレードやポンスには最適。しかもアロマセラピーの精油としては高級だし、食欲を抑制する効果がある成分が含まれているとか(痩せ薬ですが、これはちょっと怪しい)。
今年の正月は、橙の樹の持ち主から直接、実を大量にいただきました。葉っぱのついた立派な実はお供え用に無償で配りますが、小さかったり恰好が悪かったり葉っぱが取れたりした実は使い道がないとのこと。しめしめ。でも独り占めしてもいけないと思い、「橙マーマレード」のわかりやすいレシピを作って、橙の実とともに友人に配ったら、ちゃんとマーマレード作ってくれて、とっても美味しいと感謝されました。・・・嬉しかったですね。
その後、我が家の周辺(それなりに田舎)を散歩していると、庭や畑に放ったらかしにされた果樹が目につきます。夏みかん、きんかん、柿、キウイ・・・。畑は放置しておくと草ぼうぼうになってしまいますが、果樹は勝手に花が咲き、実をつけるというわけです。
こうした打ち捨てられた果樹を活用できないか・・・というアイデアですが、詳細はまた今度。
ついでに橙にまつわる蘊蓄話を披露しました。
◆トキジクノカクノコノミ
古墳時代?、垂仁天皇の御代、命により、アメノヒボコ(新羅からの渡来人?)の子孫のタジマモリ(但馬の国守?)という人が苦労して「常世の国」に赴き、「トキジクノカクノコノミ」(不老不死の妙薬?)をもって帰国します。ところが時既に遅し。垂仁天皇はすでに崩御していて、タジマモリはいたく嘆き悲しみ云々・・・というお話。
このトキジクノカクノコノミは、日本書紀、古事記では「橘」のことである、と書かれているのですが、橘は日本在来の柑橘(そうです。柑橘の「橘」です)らしく、わざわざ常世の国に行く必要はなさそう。もしかすると橙ではないか、という説があります。
橙の実は秋から冬にかけて黄色く色づきますが、そのまま放置しておくと、翌年の春になると再び青くなり、秋〜冬にまた黄色く熟して、3年くらいはそのサイクルを繰り返すらしいです。いかにも不老不死のシンボリズムにフィットするような気がします。
それにしても、なぜ橙の実が鏡餅や注連縄に使われるのでしょうか。俗説では「代々」で縁起が良いから、と言われるようですが、あまり説得力ないですね。むしろ、不老不死との関連で説明する方が良さそうに思います。
ちなみに、韓国の済州島はみかんの産地として有名ですが、韓国の本土では寒冷な気候のため柑橘類は育たないようです。だとしたら、タジマモリが訪れたのは済州島だったのでしょうか? ということは、常世の国とは済州島のこと?
ちなみに、垂仁天皇陵(お墓)は、奈良市尼ケ辻町の宝来山古墳です。立派な前方後円墳で、お堀の中に「田道間守命塚」(タジマモリのお墓)があります。
なお、橙はインド、ヒマラヤあたりの原産で、西洋では bitter orange として香料などとして利用されているようです。
マーマレードを食べながら、こんな蘊蓄を傾けるのも楽しいのでは?!
M. 林